■牡鹿半島最新情報

以下はボランティアに行かれた方からの最新情報です。
 
牡鹿半島では瓦礫がまだ多く残されているとのこと。
人それぞれいろんな事情があると思いますが
すぐでなくても構いません。

計画をたてるだけでもかまいません。
行動を実現するための行動を今始めてみませんか。

日本国民の誰もが一度でも被災地に出向き、
現地でお役にたつことができたならば、
今より遥かに早く復興することができるはずです。


■■■以下最新情報■■■
 
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牡鹿半島石巻市に属するが、地理的に陸の孤島のように
なっており、人口も少なく小さな集落が点在している。
石巻は被害が大きかった関係もあり、地元行政の対応としては
牡鹿半島地域は優先順位が常に低く、後回しなっている。
津波で浜に流れ着いた瓦礫が多く残されている。
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ごく親しいボラ仲間が先遣隊のようにして10月に現地で
作業してその報告を聞きました。
様々な漂着物が海岸の砂浜や岩場を覆っており、津波
押し寄せた山林にも漂着物が散乱しており、そういう箇所が
多く残されているとのことでした。
 
今回3連休で実際に行って見ると次のような状況でした。
 
・陸地のほとんどは山間部で、海沿いで比較的狭い平らな
 土地に集落があった場所は、津波で人工物は破壊されて
 いる。それらの片付けは一部をのこしてほぼ終了し、土台
 だけが残っている。
 その点は他の被災地と同じであるが、異なる点としては
 新規の人工物が何もできていない場所が多く、本当に
 何も無い無人の荒野のようになっている場所が点在している。
 
・リアス式特有の尾根が海に沈みこんだ地形のため、集落
 となっていない場所は歩いて降りるしかない所が多くあり
 震災前は美しい砂浜や岩場であった場所に、大量の漂着物
 が残されている。
 
牡鹿半島自体が海や山のレジャーの場所が少ないように感じられ
 開発度合いが低い(※)と見られる。
 
 ※各種の情報と現場の状況を総合すると、家族経営の養殖漁業
などで生計を立てている高齢化率の高い集落が多く、観光産業
の少ない生活の場であり、過疎の悩みの度合いも高い地域の
ように思われました。
 
今回は他の場所でも作業したので、牡鹿半島でのお手伝いは
日程上は1日のみでした。その1日は石巻市街地からのクルマ移動
だけでも往復に3時間以上要し、現場での作業は5時間程度
しかできませんでした。
 
しかし、マイカーで関東から来た人たちが同じ現場に40名
ほど集まり、漂着物を分別し土嚢袋に入れて傾斜地を
登って運びだしていました。女性も大勢いましたが、付近
には水場もトイレもないため、作業はごく短時間しかできない
様子でした。
 
周辺に住人が少なく、訪れる人もほとんどない海岸の漂着物の
片付けに行政のリソースを投入するのは、たしかに、他の
優先事案の対処が終了した頃に回すのが順当と思います。
 
一方で、そのような取り残された場所こそが(行政で優先対処
べき場所との対比においては)民間有志によって対処すべき
場所であるなあ、と改めて思いました。
 
ただ、「復旧」と「復興」を区別して考えたときに、最低水準の
生活環境の「復旧」は徐々に進んではいるものの、個人や
地域の経済基盤の「復興」は、人口が少ない地域ほど進んで
いません。
 
広範囲が被災した東北で、行政のリソースが相対的に不足して
いるため、「復旧」が最優先で「復興」にはなかなか手が回らず、
民間の力を「復興」に投入することが必要な状況と思います。
 
そうした中、津波で蝕まれ「復旧」が必要な自然環境が放置され、
しかしながら、それを「復旧」しても「復興」への直接的効果の期待
が薄い・・・そういう場所が多い牡鹿半島は、悩ましいところである
なあと思いました。

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