■第2回「5フレット即興演奏法」 

5フレットギター演奏法は、ギターがある程度ひける方だけのものではありませんが特にギター初心者の方は、以下の基礎知識は一度確認をしておいたほうがよいでしょう。

■ギターの各部位について
・ネック→細長い部分です。左手でこのネックをにぎるようにギターを持つのが一般的スタイルです。
・弦→ネックに張られているものです。細い弦から番号をつけて1弦と呼びます。太いのは6弦です。
・フレット→ネックにたくさん打ち込まれている金属の細長い部品です。これらも最も左を1として番号で呼びます。
・ナット→指で弦を押さえていないときは、ここが弦を支えてくれています。各弦の最低音がここで決まっています。ここにはフレットがないので、0フレットなんて言い方をすることもあります。
・ブリッジ→弦の反対側、いわゆる右手で弦をはじく側で弦を支えています。ちょっと橋のような形だからブリッジですね。
・ボディ→ネックにくっついているギターの形です。ギターはこのボディが空洞のものや無垢のものがあります。
・ペグ、チューニング用ねじ→弦を巻き取ってチューニングするための部品です。
・ヘッド→ナットからペグがついている一帯をヘッドと呼びます。ということは、ギターを擬人化するとこっちが頭なんでしょう。

■ギターの状態について
・チューニング→ギターの弦のチューニングが正しくされている状態で練習してください。

■ギターが鳴るメカニズム 
ギターの弦を右手ではじくと、弦が振動を始めて鳴りますね。自分の動作が音に変換される瞬間です!左手を押さえないで弾いた音は解放弦の音と呼びます。左手の指でどこを押さえて弾くかによって各弦の音高が変化します。

■ピック
ギターを演奏するときに、弦をはじく三角の小さな板です。楽器屋さんで100円前後で売っています。本講義では、ピックを用いない指での演奏でも可能ですが、最初はピックがあったほうがよいです。

■左手と右手のルール

・弦の弾き方
単音を弾くときは一つ一つの弦をできるだけ指先で押さえるように心がけてください。そして、押さえた弦を弾きます。なれないうちは、押さえた弦がどれかわからくて違う弦を弾いてしまいますが、意識して弾いてれば、知らず知らすのうちに慣れます。

コードを弾くときも、指がたらない場合を除いて、できるだけ各指先で押さえたほうがきれいな音が出ます。このとき、鳴らしてはならない弦があるときはそこを弾かないよう注意する必要があります。そして、コードの指使いですが、手の大きさや、関節のやわらかさによって人それぞれです。基本の押さえ方は市販のコードブックなどをみて参考にされるとよいでしょう。

弦を上から下へ弾く方向をダウン、下から上に引く方向をアップと呼んで方向を区別します。この弾く方向は初心者はダウンから始めるとよいでしょう。もちろんどちらもできたほうがよいです。

・音の消し方
弾いた弦を消すことをミュートといいます。弦にやわらかい皮膚がさわれば音は消えますが、手のひらとか、指先をコントロールして必要に応じて音を消します。指先、手のひらなどを工夫して使い分けながらミュートに用います。

■第2回「5フレット即興演奏法」/ マイナーでも使えます!
さて、以下は前回ご紹介した、あっというまにドレミファソラシドの並びが覚えられる「超基本スケール」です。もう一度復習しますが、6弦の一番低い音(マル1)がいわゆるドにたとえたとすると、(マル1)〜(マル7)までひくとドレミファソラシド風の音階になりますよね。

これだけでほぼ2オクターブの音域をカバーしていますが、この(マル1)〜(マル7)までを繰り返しスケールとして弾きなれてください。低い音からだけでなく、5フレットの(マル3)の高い音から下がってくる弾き方も同様になれてください。

前回は、この6弦の一番低い音(マル1)をキーとするメジャースケールの曲でこれが使えると申しました。たとえキーが変わっても、そのキーの音までギターの指板上をこの形のまま(マル1)の位置をずらしてもってくるだけで、移調が楽に行え、合った音がだせるはずです。

さらに、この「超基本スケール」はマイナーの曲でも使えるのです。5弦の(マル6)の場所を確認しましょう。この場所は大切なのです。この場所を以降は「マイナーポイント」と称することにします。

もし、あわせたい曲の調がたとえばDマイナーだった場合、このDマイナーのキーの音(レ)が5弦のどこかのフレット位置にないか捜します。この音は5弦の5フレットにあたりますが、そこにこの「マイナーポイント」があてはまるように「超基本スケール」をずらしてあわせこんでください。

下の図の「超基本スケール」では、一番左は1フレットの場所から右へ5フレットまでの範囲をとっています。一番上の0〜5の数字がフレット番号です。

この位置のままですと5弦の(マル6)はD(レ)の音になっておりますので(マル6)〜(マル7)〜(マル1)〜(マル2)〜(マル3)〜(マル4)〜(マル5)というように音を高く弾き進めると、これはDマイナーのスケールになっているのがわかりますか?

だから、5弦の(マル6)から音を始める感覚で、この「超基本スケール」をひくと、Dマイナーのスケールに合った演奏ができるのです。これを覚えるだけで、絶対ではないのですが、音をはずすことがかなり少なくなります。

ps;
マイナースケールは単なるマイナースケールと、なんとなくアラビア風のマイナーと、さらに他にもいろいろありますので、どの曲を選択するかによって若干押さえる位置が変わるのですが、現時点では混乱するのでこれについては後日どこかでご説明いたします。